遠軽町埋蔵文化財センター所蔵資料の一部は、『北海道白滝遺跡群出土品』として国の重要文化財に指定されています。
対象は、服部台2・奥白滝1・上白滝2・上白滝5・上白滝7・上白滝8の6つの遺跡から出土した、今から30,000~10,000年前の後期旧石器時代の石器1,858点です。
白滝遺跡群は、町内白滝地域に所在する遺跡の総称で、90ヶ所以上の遺跡が分布しています。上記6遺跡は黒曜石産地「赤石山」の麓を流れる八号沢と湧別川の合流部付近、標高450mの河岸段丘上に立地しています。
出土品には、後期旧石器時代を代表する石器である「細石刃」や、「尖頭器」と呼ばれる槍の先の形をした石器をはじめ、切る・削るなどさまざまな用途に使われた「18種類の石器」、さらには石器を作る際に生じた石の破片を1つ1つつなぎ合わせて、元の形に可能な限り復元した「接合資料」があります。
これらの出土品からは当時の高度な石器製作技術を読み取ることができます。
こうした出土品は日本だけでなく、世界的にも貴重な旧石器時代遺跡資料として学術的評価をいただいています。
【指定基準(文化庁)】
一,土器,石器,骨角牙器,玉,その他縄文時代及びそれ以前の遺物で学術的価値の特に高いもの
【件 名】 北海道白滝遺跡群出土品
【点 数】 1,858点
【所有者】 遠軽町(北海道紋別郡遠軽町1条通北3丁目)白滝教育センター保管
黒曜石原産地の赤石山山麓に広がる河岸段丘上に形成された遺跡群からの出土品。原石から石器を製作する過程を示す資料、石材からの剥離過程を示す接合資料など多彩な内容で構成される。遺物量は我が国における後期旧石器時代遺跡の中でも群を抜く多さを誇る。
我が国で最大の規模・質量を誇る後期旧石器時代の遺跡資料として貴重である。