遠軽町内にある、北海道家庭学校の敷地内には、1964年に開催された東京オリンピックにゆかりのある木が育ち、2020東京オリンピック・パラリンピック大会を前にオリンピック関係の施設に活用されました。
50年にわたり遠軽町で育ったオリンピックゆかりの木は、日本オリンピックミュージアムで国内外の多くの方にご覧いただけるようになりました。
東京オリンピックの開会式では、展示林材を活用した「オリンピックリングス」がお披露目され、全世界へ発信されました。
遠軽町内、留岡にある児童自立支援施設「北海道家庭学校」の広大な敷地の一角に、1964年(昭和39年)東京オリンピックの際に、参加各国選手団が持ち寄った木の種から育った林があります。展示林と呼ばれるこの林には、カナダやアイルランド、北欧などから提供されたパイン類やトーヒ類が約160本育ちました。
大会当時、世界中から集まった種は生育環境や気候に合わせて日本各地に配布され、北海道で育苗されたものはここ遠軽の自然豊かな家庭学校展示林に植樹されました。
2020年の東京オリンピック・パラリンピックの開催決定を機に、この事実は関係者に周知され、前回東京大会とゆかりのあるこの木は、「日本オリンピックミュージアム」(2019年9月日本オリンピック委員会が東京都新宿区に設立)に建材や家具として活用して頂き、多くの皆様の目に触れることになりました。
遠軽町では、この木々から採取した種を育てる「播種体験会」や、そこで育てた苗木を用いた「植樹祭」などを通じ、オリンピックの緑のレガシーを後世につなぐ取り組みを行っています。
また、種の提供国の1つであるアイルランドとの国際交流も始まっています。
1964年 | 東京オリンピック開催 各国選手団が母国の木の種を持ち寄り、緑の国際交流を行う44か国の種は生育条件などに配慮し全国に配布された |
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1968年 | 北海道では、北海道家庭学校がもらい受け、生徒及び職員により維持管理を始める |
2013年 | 2020年に東京で2度目のオリンピック・パラリンピック大会の開催が決定 |
2016年 | フォート・キシモト岸本健氏より遠軽町に展示林の事が伝えられる |
2017年 | 1964東京オリンピック遠軽町展示林活用検討委員会発足(活用要請スタート) 試験伐倒・種採取体験会開催 |
2018年 | 試験伐倒材による木工体験会開催 播種体験会開催 「1964東京オリンピック遠軽町展示林を語る会」開催 泉正文氏(オリパラ組織委員会理事)、岸本健氏(フォート・キシモト社長)招聘 日本オリンピックミュージアムへの活用正式決定 関係者による展示林伐採の立会開催 |
2019年 | 日本オリンピックミュージアムウェルカムボードオブジェ製作開催 (遠軽町小学6年生・北海道家庭学校生徒対象) (公財 日本オリンピック委員会・一社 日本空間デザイン協会共催) 日本オリンピックミュージアムオープン(内装材・家具の一部に展示林材採用、展示林紹介パネル掲示) ラグビーワールドカップ日本大会 アイルランド大使館よりご招待(佐々木町長並びに遠軽町スポーツ協会会長) |
2020年 | 東京オリンピック・パラリンピック大会が新型コロナウイルスの影響により延期 |
2021年 | 東京オリンピック・パラリンピックの開催 オリンピックの開会式で木造の五輪オブジェ「オリンピックリングス」披露 展示林の苗を用いた植樹祭の開催 |