○遠軽町地域密着型サービス等事業者指導監査要綱

平成20年12月30日

訓令第38号

(目的)

第1条 この訓令は、遠軽町が、介護保険事業の運営が健全かつ円滑に行われるよう、指定地域密着型サービス事業者、指定地域密着型介護予防サービス事業者、居宅介護支援事業者、介護予防支援事業者、基準該当居宅サービス事業者及び基準該当介護予防サービス事業者(以下「事業者」という。)に対して行う、介護保険法(平成9年法律第123号。以下「法」という。)第23条に基づく指導、法第42条、第78条の7、第115条の17及び第115条の27並びに遠軽町基準該当居宅サービス事業者及び基準該当居宅介護支援事業者の登録に関する規則(平成17年遠軽町規則第108号。以下「規則」という。)第11条の規定に基づく監査に関する基本的事項を定めることにより、介護給付及び予防給付(以下「介護給付等」という。)の対象となるサービス(以下「介護給付等対象サービス」という。)の質の確保及び向上並びに保険給付の適正化を図ることを目的とする。

(指導方針)

第2条 指導は、事業者に対し各種指導形態によって、利用者の自立支援及び尊厳の保持を念頭において、事業者の支援を基本とし、介護給付等対象サービスの取り扱い及び介護給付等に係る費用(以下「介護報酬」という。)の請求等に関する事項について周知徹底させることを方針とする。

(指導形態)

第3条 指導の形態は、次の各号に掲げるものとする。

(1) 集団指導 事業者に対し介護給付等対象サービスの取り扱い、介護報酬請求の内容、制度改正内容及び高齢者虐待事案をはじめとした過去の指導事例等に基づく指導内容について、年1回以上、一定の場所に集めて講習等の方法により実施する。なお、オンライン等(オンライン会議システム、ホームページ等。以下同じ。)の活用による動画配信等による実施も可能とする。

(2) 運営指導 次の~ウの内容について、原則、指定の有効期間内に少なくとも1回以上、指導の対象となる事業者の事業所において実地で実施する。また、遠軽町が単独で行うものを「一般指導」とし、厚生労働省又は北海道と合同で行うものを「合同指導」とする。なお、~ウの実施については、効率的な実施の観点から、それぞれ分割して実施することも差し支えない。

 介護サービスの実施状況指導 個別サービスの質(施設・設備や利用者等に対するサービスの提供状況を含む)に関する指導

 最低基準等運営体制指導 基準等に規定する運営体制に関する指導(に関するものを除く)

 報酬請求指導 加算等の介護報酬請求の適正実施に関する指導

(指導対象の選定)

第4条 効率的な指導を行う観点から、事業者の選定については、一定の方針に基づいて行う。

(1) 集団指導の対象 原則、全ての事業者を対象とする。

(2) 運営指導の対象 一般指導は、次の基準を標準とし、計画を策定し実施する。また、合同指導は、一般指導の対象とした事業者の中から選定する。

 新たに介護給付等対象サービスを開始し、又は入所定員を増加した事業所

 国が示す指導重点事項に該当する事業者

 その他運営指導が必要と認める事業者

(関係機関及び他の市町村との連携)

第5条 前条の規定により選定された事業者の指導は、厚生労働省、北海道及び他の市町村と連携を図り、必要な情報交換を行うことで適切な集団指導及び運営指導の実施に努めるものとする。

(指導方法等)

第6条 指導の実施については、指導形態に応じて、次の各号に掲げる方法により行う。

(1) 集団指導

 実施通知 集団指導対象の事業者を決定したときは、当該事業者に対してあらかじめ日時、場所、出席者、指導内容等を文書等により通知する。

 指導方法 実施に当たっては、事業者に対して指導内容の理解を深めるため質問や個別相談等の機会を設ける等、工夫する。なお、集団指導に欠席した介事業者に対しては、使用した書類を配付するなど必要な情報提供に努めるとともに、オンライン等の活用による動画配信等による場合は、配信動画の視聴や資料の閲覧状況について確認する。

(2) 運営指導

 実施通知 運営指導対象となる事業者を決定したときは、当該事業者に対して、あらかじめ次に掲げる事項を文書等により通知する。ただし、指導対象となる事業所において高齢者虐待が疑われる等の理由により、あらかじめ通知したのでは当該事業所の日常におけるサービスの提供状況を確認することができないと認められる場合は、指導開始時に次に掲げる事項を文書により通知するものとする。

(ア) 運営指導の根拠規定及び目的

(イ) 運営指導の日時及び場所

(ウ) 運営指導担当者

(エ) 事業者の出席者(役職名等で可)

(オ) 準備すべき書類等

(カ) 当日の進め方、流れ等(実施する運営指導の形態、スケジュール等)

 出席者 運営指導にあたっては、指導対象となる事業者の管理者の出席を求めるほか、必要に応じて介護給付等対象サービスの担当者、介護報酬請求担当者等の関係職員の出席を求めることができる。

 指導方法 運営指導は、関係書類を確認し、管理者及び関係職員からの面談方式により実施する。なお、施設・設備や利用者等のサービス利用状況以外の実地でなくても確認できる内容(最低基準等運営体制指導及び報酬請求指導に限る。)の確認については、情報セキュリティの確保を前提としてオンライン等を活用することができる。活用に当たっては、事業者の過度な負担とならないよう十分に配慮する。

 指導体制 2人以上の班を編成し、うち1人は係長職以上とする。

 指導結果の通知 運営指導の結果、人員、施設及び設備又は運営について改善を要すると認められる事項がある場合、介護報酬請求について不正には当たらない軽微な誤り認められ過誤による調整を要すると認められる事項は、後日文書によって通知するものとする。

 報告書の提出 文書で指導した事項については、文書により報告を求めるものとする。

 監査への変更 運営指導中に次に該当する状況を確認した場合は、運営指導を中止し、直ちに監査を行い、事実関係の調査及び確認を行うものとする。

(ア) 介護給付等対象サービスの事業の人員、施設及び設備並びに運営に関する基準に従っていない状況が著しいと認められる場合又はその疑いがあると認められる場合

(イ) 介護報酬請求について、不正を行っていると認められる場合又はその疑いがあると認められる場合

(ウ) 不正の手段による指定等を受けていると認められる場合又はその疑いがあると認められる場合

(エ) 高齢者虐待等により、利用者等の生命又は身体の安全に危害を及ぼしていると認められる場合又はその疑いがあると認められる場合

(自主点検に伴う自主返還)

第7条 運営指導において介護給付等対象サービスの内容又は介護報酬の算定若しくは請求に関し過誤が認められたときは、当該事業者に対し、指摘事項に係る自主点検を指示する。

(監査方針)

第8条 監査は、事業者の介護給付等対象サービスの内容並びに介護報酬の請求について、遠軽町指定地域密着型サービスの事業の人員、設備及び運営に関する基準を定める条例(平成25年遠軽町条例第4号)遠軽町指定地域密着型介護予防サービスの事業の人員、設備及び運営並びに指定地域密着型介護予防サービスに係る介護予防のための効果的な支援の方法に関する基準を定める条例(平成25年遠軽町条例第5号)遠軽町指定居宅介護支援等の事業の人員及び運営に関する基準を定める条例(平成30年遠軽町条例第1号)又は遠軽町指定介護予防支援等の事業の人員及び運営並びに指定介護予防支援等に係る介護予防のための効果的な支援の方法に関する基準を定める条例(平成26年遠軽町条例第24号)に定める介護給付等対象サービスの事業の人員、設備及び運営に関する基準に従っていないと認められる場合若しくはその疑いがあると認められる場合又は介護報酬の請求について、不正を行っていると認められる場合若しくはその疑いがあると認められる場合、又は不正の手段により指定等を受けていると認められる場合若しくはその疑いがあると認められる場合(以下「指定基準違反等」という。)、又は介護給付等対象サービスの利用者又は入所者若しくは入居者(以下「利用者等」という。)について高齢者虐待の防止、高齢者の養護者に対する支援等に関する法律(平成17年法律第124号)(以下「高齢者虐待防止法」という。)に基づき遠軽町が虐待の認定を行った場合若しくは高齢者虐待等により利用者等の生命又は身体の安全に危害を及ぼしている疑いがあると認められる場合(以下「人格尊重義務違反」という。)において、北海道又は遠軽町が、当該事業者に対し報告若しくは帳簿書類の提出若しくは提示を命じ、出頭を求め、又は当該職員に関係者に対して質問させ、若しくは当該事業者に立ち入り、その設備若しくは帳簿書類その他の物件の検査(以下「立入検査等」という。)を行い、事実関係を的確に把握し、公正かつ適切な措置をとるためにこれを行う。

(監査対象の選定)

第9条 監査は、次に掲げる情報を踏まえて、指定基準違反等又は人格尊重義務違反の確認について必要があると認められる場合に立入検査等により行うものとする。

(1) 通報、苦情、相談等に基づく情報

(2) 遠軽町が、高齢者虐待防止法に基づき虐待を認定した場合又は高齢者虐待等により利用者等の生命又は身体の安全に危害を及ぼしている疑いがあると認められる情報

(3) 国民健康保険団体連合会(以下「国保連」という。)、地域包括支援センターへ寄せられた苦情

(4) 国保連及び保険者等からの通報情報

(5) 介護給付費適正化システムの分析から特異傾向を示す事業者情報

(6) 法第115条の35第4項の規定に該当する報告の拒否等に関する情報

(7) 運営指導における情報

(監査実施通知)

第10条 監査対象となる事業者を決定したときは、次に掲げる事項を文書等により監査開始時に当該事業者に通知する。ただし、第6条第2号キの規定により、運営指導を中止し、監査へ変更した場合は、口頭により当該事項を含め監査を実施する旨通告する。

(1) 監査の根拠規定

(2) 監査の日時及び場所

(3) 監査担当者

(4) 監査対象事業者の出席者(役職名等で可)

(5) 必要な書類等

(6) 虚偽の報告又は答弁、検査忌避等に関する罰則規定

(出席者)

第11条 監査にあたっては、監査対象となる事業者の開設者(又はこれに代わる者)及び管理者(管理者であった者を含む。)の出席を求めるほか、必要に応じて介護給付等対象サービスの担当者、介護給付費請求担当者等の関係職員(従業者であった者を含む。)の出席を求める。

(監査体制)

第12条 2人以上の班を編成し、うち1人は管理職とする。

(監査結果の通知等)

第13条 町長は、監査の結果、改善勧告にいたらない軽微な改善を要すると認められた事項については、後日文書によってその旨の通知を行うものとする。

2 町長は、前項の文書で通知した事項について、当該事業者に対し、文書により報告を求めるものとする。

(行政上の措置)

第14条 町長は、事業者について、指定基準違反等又は人格尊重義務違反が認められた場合は、法第5章に掲げる「勧告、命令等」及び「指定の取消し等」の規定並びに規則第12条の規定に基づき行政上の措置をとるものとする。

2 町長は、前項に規定する行政上の措置を行う場合には、事前に北海道知事に情報提供を行うものとする。

(勧告)

第15条 町長は、事業者に指定基準違反等(介護報酬の請求に関することを除く。)の事実が確認された場合、当該事業者に対し、期限を定めて、文書により基準の遵守等の措置をとることを勧告することができるほか、当該期限内にこれに従わなかったときは、その旨を公表することができる。なお、勧告した場合は、当該事業者に対し期限内に文書によりとった措置について報告を求める。

(命令)

第16条 町長は、事業者が正当な理由がなくその勧告に係る措置をとらなかったときは、当該事業者に対し、期限を定めて、その勧告に係る措置をとるべきことを命令することができるほか、命令をした場合には、その旨を公示しなければならない。なお、命令した場合は、当該事業者に対し期限内に文書によりとった措置について報告を求める。

(指定の取消し等)

第17条 町長は、指定基準違反等又は人格尊重義務違反の内容等が、法第78条の10各号、第84条第1項各号、第115条の19各号及び第115条の29各号並びに規則第12条各号のいずれかに該当する場合においては、当該事業者に係る指定を取り消し、又は期間を定めてその指定の全部若しくは一部の効力の停止(以下「指定の取消等」という。)をすることができる。

(監査結果の通知等)

第18条 監査の結果については、文書により通知する。なお、前3条に該当する場合はそれらの通知に代えることができる。また、前3条に該当しない、改善を要すると認められた事項については、その旨を通知し期限を定めて報告を求めるものとする。

(聴聞等)

第19条 町長は、監査の結果、当該事業者が命令又は指定の取消等の処分(以下「取消処分等」という。)に該当すると認められる場合は、監査後、取消処分等の予定者に対して、行政手続法(平成5年法律第88号)第13条第1項各号の規定に基づき聴聞又は弁明の機会を付与しなければならない。ただし、同条第2項各号のいずれかに該当するときは、これらの規定は、適用しない。

(行政上の措置の通知)

第20条 町長は、取消処分等を行ったときは、当該事業者に対し措置の種類、根拠規定、その原因となる事実、不服申立に関する事項等について文書により通知するものとする。ただし、取消処分等に至らないと認められるときは、運営指導に準じた指導をするものとする。

(行政上の措置の公示等)

第21条 町長は、監査の結果、取消処分等を行ったときは、速やかにその旨を公示するとともに、北海道、関係市町村、国保連等の関係機関に対し、これを連絡するものとする。

(経済上の措置)

第22条 町長は、監査の結果、取消処分等(命令を除く。)を行った場合に、当該事業者が法第22条第3項に規定する偽りその他不正の行為により介護報酬の支払いを受けている場合には、その支払った額につきその返還させるべき額を不正利得とし、当該不当利得の徴収を行うものとする。

2 町長は、前項の不当利得については、原則として、法第22条第3項の規定により当該返還させるべき額に100分の40を乗じて得た額を併せて徴収するものとする。

(事業者からの現況報告)

第23条 町長は、事業者から、別に定める現況報告書を毎年5月末日までに提出させるものとする。

(関係機関との連携)

第24条 監査にあたっては、北海道、関係市町村及び国保連と連携を図り、合同で監査を実施するなど効率的に行うものとする。

(その他)

第25条 この訓令に定めるもののほか、必要な事項は町長が定める。

この訓令は、平成21年2月1日から施行する。

(平成21年10月1日訓令第23号)

この訓令は、平成21年10月1日から施行する。

(平成27年5月8日訓令第7号)

この訓令は、平成27年5月11日から施行する。

(平成28年3月31日訓令第10号)

この訓令は、平成28年4月1日から施行する。

(平成30年3月30日訓令第6号)

この訓令は、平成30年4月1日から施行する。

(令和5年9月11日訓令第18号)

この訓令は、令和5年10月1日から施行する。

遠軽町地域密着型サービス等事業者指導監査要綱

平成20年12月30日 訓令第38号

(令和5年10月1日施行)