○遠軽町伐採及び伐採後の造林の届出制度に係る要領

平成17年10月1日

告示第33号

第1 趣旨

この要領は、適正な森林施業を確保し、また森林の有する多面的な機能を適切に発揮させるうえで、森林所有者等が行う森林の伐採の状況を把握することが必要不可欠であることから、事前に伐採計画の内容を把握し、市町村森林整備計画を遵守した伐採とさせるため、森林所有者等に対し義務付けている伐採及び伐採後の造林の届出書の提出があった場合について、伐採及び伐採後の造林の届出制度の実効を確保する手段としての指導、勧告及び伐採計画の変更命令等の手掛かりとして、また森林法(昭和26年法律第249号)違反行為に対応するための資料の整理並びに北海道網走西部森づくりセンターなど関係機関との報告及び連携等の取扱いについて必要な事項を定めるものとする。

第2 定義

この要領において次の各号に掲げる用語の意義は、当該各号に定めるところによる。

(1) 法 森林法をいう。

(2) 政令 森林法施行令(昭和26年政令第276号)をいう。

(3) 省令 森林法施行規則(昭和26年農林省令第54号)をいう。

(4) 告示 省令第44条の規定に基づき告示された、森林法施行規則の規定に基づき申請書等の様式を定める件(昭和37年農林省告示第851号)をいう。

(5) 森林所有者 法第2条に規定する権原に基づき森林の土地の上に木竹を所有し、及び育成することができる者をいう。

(6) 森林所有者等 法第10条の7に規定する森林所有者その他権原に基づき森林の立木竹の使用又は収益をする者をいう。

(7) 森林整備計画 法第10条の5の規定に基づき立てられる市町村森林整備計画をいう。

(8) 届出書 告示で定められた様式に基づき、届出者の利便性を考慮して定めた「伐採及び伐採後の造林の届出書(様式第1号)」をいう。

(9) 地域森林計画 法第5条の規定に基づき樹立される地域森林計画をいう。

(10) 事務整理簿 伐採の届出に伴う事務整理のため定める「伐採届出事務整理簿(様式第2号)」をいう。

(11) 指導記録簿 伐採の届出に対する指導等の経緯を明らかにするため定めた「指導事項記録簿(様式第3号)」をいう。

(12) 適合通知書 伐採及び伐採後の造林の届出制の運用について(昭和49年10月31日付け49林野計第479号林野庁長官通知。以下「長官通知」という。)において定められた様式に基づき、指導上の利便性を考慮して定めた「伐採及び伐採後の造林の計画の適合通知書(様式第4号)」をいう。

(13) 勧告書 市町村森林整備計画制度等の運用上の留意事項について(平成3年7月25日付け3林野計第306号林野庁計画課長通達)において定められた模範様式に基づき定めた「勧告書(様式第5号)」をいう。

(14) 変更命令書 長官通知において定められた様式の「伐採計画の変更に関する命令書(様式第6号)」をいう。

(15) 変更命令記録簿 長官通知において定められた様式に基づき定めた「法第10条の9第1項の命令に係る記録簿(様式第7号)」をいう。

(16) 遵守命令書 長官通知において定められた様式で「伐採及び伐採後の造林の計画の遵守に関する命令書(様式第8号)」をいう。(以下「遵守命令書」という。)

(17) 変更命令記録簿 長官通知において定められた様式に基づき、定めた「法第10条の9第3項の命令に係る記録簿(様式第9号)」をいう。

(18) 実績報告書 伐採届出の状況について、北海道網走西部森づくりセンターに報告するため定めた「伐採届等実績報告書(様式第10号)」をいう。

(19) 受理通知書 長官通知において定められた様式の「伐採及び伐採後の造林の届出書受理通知書(様式第11号)」をいう。

第3 伐採及び伐採後の造林届出の事務処理

1 届出書の受付と受理

(1) 届出書の受付

森林所有者等が持参し、又は郵送等により届出書が提出されたときは、当該届出が必要であるか否かについて点検し、不要であればその理由及び所定の手続を教示して返戻する。なお、届出書が不要のときは、次のとおりである。

ア 地域森林計画において対象としている森林以外の森林

イ 保安林(法第25条の規定により指定された森林をいう。)及び保安施設地区(法第41条の規定により指定された森林等をいう。)に該当する森林

ウ 立木の伐採が法第10条の8第1項各号のいずれかに該当するとき。

エ 立木の伐採が木材の安定供給の確保に関する特別措置法(平成8年法律第47号)第4条第4項の規定に基づき認定された森林で、同法第7条の規定に該当するとき。

(2) 形式的要件の点検

当該届出が必要であるときは、受付印を押印し、届出書の形式的要件の不備の有無について点検する。

次の形式的要件に不備があればその理由及び所定の手続を教示して返戻するとともに事務整理簿及び指導記録簿に必要事項をその都度記載する。

ア 届出書の様式、部数(1部)の確認

イ 届出(持参)月日が伐採しようとする日前90日から30日であるかの確認

ウ 届出人が森林所有者であるかを確認

エ 届出人と森林所有者の権限関係を確認

オ 記載事項欄に必要な事項がすべて記載されているかを確認

カ 伐採箇所の確認(同一林小班内での部分伐採等について)

(3) 林地開発許可が不要の場合で伐採届が必要な場合の指導

法第10条の2第1項第1号及び第3号の規定に基づく許可の不要な林地開発で、法第10条の8に基づく国、地方公共団体等の届出については、当該開発行為に係る連絡調整事務の内容が明らかになった(伐採箇所が確定した)時点で届出書を提出するように届出者を指導するものとする。

(4) 届出書の受理と保存等

当該届出に不備が無いときは、届出書に受理印を押印し、次の項目について整理する。

ア 事務整理簿に必要事項を記載する。

イ 当日又は翌日(翌日が休日の場合は休日明けの日)までに北海道網走西部森つぐりセンターに対して届出書の写しと伐採箇所図(5000分の1)を送付する。(道有林に係る届出書を除く。)

ウ 伐採が隣接市町村との境界で行われる計画のときは、当日又は翌日(翌日が休日の場合は休日明けの日)までに当該隣接市町村に対して届出書の写しと伐採箇所図(5000分の1)を送付する。(道有林に係る届出書を除く。)

2 森林整備計画との整合性の審査と届出者への通知等

(1) 伐採後森林施業を継続する場合

ア 伐採計画に係る審査事項

おおむね次の事項により審査を行い、不適合な内容があれば届出内容の補正を指示し、かつ、助言等の指導を十分行うとともに、事務整理簿及び指導記録簿に必要事項をその都度記載する。

(ア) 立木の伐採に関する事項

(イ) 間伐及び保育に関する事項

(ウ) 特定施業森林の整備に関する事項

(エ) その他必要な事項

イ 伐採計画以外の審査と適合通知書の送付との関係

伐採計画が森林整備計画に適合していても、他の事項において不適合の場合は、まず他の事項における不適合の部分について十分指導を行うものとし、整理簿等に必要事項を記載する。また、指導内容については、適合通知書の指導事項欄に記載する。

ウ 適合通知書の送付

伐採計画が森林整備計画に適合しているとき又は補正等により適合したときは、適合通知書を送付するとともに、整理簿等に必要事項を記載する。なお、上記イの指導が不調の場合であっても伐採開始前には届出者に対し送付しなければならない。

(2) 伐採後林地を材木の育成以外の用途に供する場合

ア 審査事項

林地を材木の育成以外の用途に供することに伴い整備計画に影響(面積、材積等)を及ぼす事項について審査する。また、必要に応じて現地確認を行い、地域住民や工作物等に被害を及ぼすおそれなどの問題があれば関係機関等と連携し、助言、要請等の指導を十分に行うとともに、事務整理簿及び指導記録簿に必要事項をその都度記載する。

イ 受理通知書の送付

届出書の内容を確認し、受理通知書を届出者に送付するとともに、事務整理簿等に必要事項を記載する。

(3) 補正の指示に従わない場合

法第10条の10第1項の規定に基づき、勧告を行うことができる。ただし、事前に十分な指導を行わなければならない。

3 施業の勧告等

(1) 勧告制度の趣旨

施業の勧告制度は、森林に係る森林所有者等の私益と適正な森林の整備等の公益との調整を図ることを旨として設けられているものである。したがって勧告は、森林整備計画を森林所有者等に遵守させる行政指導の一環として行うものであり、森林所有者等の自発的経営意欲を助長させるために発動されるものであることから、勧告に従わないことに対して罰則は設けられていない。

(2) 勧告の対象となる事項

勧告は、次の場合等で森林整備計画に適合させる必要があるときに行うものとする。

ア 伐採方法の特定

次の事項を確保するため伐採方法を特定した森林について、森林整備計画で定められた伐採方法以外の方法で伐採を行っているとき又は行おうとしているとき。

(1) 更新の確保

(2) 自然環境の保全及び形成並びに保健・文化・教育的利用

(3) 自然環境の保全及び形成

(4) 農地・林地又は道路その他の施設の保全

イ 主伐の抑制

立木の年齢が森林整備計画に定められた「主伐を見合わせるべき立木の樹種ごとの年齢」に達しない森林の立木の主伐を抑制させる必要があるとき。ただし、林地を材木の育成以外の用途に供することが明らかであると認められる森林については、勧告の対象としない。

(3) 勧告の方法

勧告は、勧告すべき事項を記載した勧告書を森林所有者等に送付して行う。ただし、緊急の場合にあっては、口頭で「勧告であること、勧告書の記以下の事項及び追って文書を送付すること」を伝達し、後日勧告書を森林所有者に対して送付する。

(4) 勧告の記録

勧告を行ったときは、事務整理簿の指導事項欄に勧告と朱書し、勧告の内容及びその他必要事項を指導記録簿に記載する。

4 伐採計画の変更命令

(1) 命令を行う時期

伐採計画の変更命令は、事前の指導又は勧告を行ってもなお森林整備計画に適合する伐採計画に変更しない場合に行う。ただし、その適合しない程度が軽微であって森林整備計画の達成上必要がないと認められるときは、この限りでない。

(2) 命令の対象となる事項

命令は、最も厳しい行政処分であることから、安易に行うのではなく、事前に十分な調査と検討を行ったうえで、前記3の(2)のア及びイに該当する場合に行うものとする。

(3) 命令を行う際の連絡等

命令を行おうとするときは、あらかじめ北海道網走西部森づくりセンターと密接な連絡を取るほか、命令後は速やかに北海道網走西部森づくりセンターに通知する。また命令の発出の有無について、年度分を4月15日までに北海道網走西部森づくりセンターに対して報告する。

(4) 命令の方法

命令は、変更すべき事項を記載した変更命令書を森林所有者等に対し送付して行う。

(5) 命令の記録

変更命令を行ったときは、事務整理簿の指導事項欄に命令と朱書し、命令の内容及びその他必要事項について変更命令記録簿に記載する。

5 伐採計画の遵守命令

(1) 命令を行う時期

伐採計画の遵守命令は、事前の指導又は勧告を行ってもなお伐採計画に従って伐採が行われない場合に行う。

また、遵守命令を行った伐採については、特に、命令した事項が十分遵守されるよう指導監督を行うものとする。

(2) 命令の対象となる事項

命令は最も厳しい行政処分であることから、安易に行うのではなく、事前に十分な調査と検討を行ったうえで実際に行っている伐採が次に該当する場合に行うものとする。

ア 届出書に記載された主間伐別及び伐採種と異なっているとき。

イ 届出書に記載された伐採率120パーセント(森林整備計画において伐採率の限度が定められている場合には、その定められた伐採面積の限度)を超えているとき。

ウ 届出書に記載された箇所ごとにその伐採面積の120パーセント(森林整備計画において伐採面積の限度が定められている場合には、その定められた伐採面積の限度)を超えているとき。

(3) 命令を行う際の連絡等

前記4の(3)に準じて対応する。

(4) 命令の方法

命令は、遵守すべき事項を記載した遵守命令書を森林所有者等に対し送付して行う。

(5) 命令の記録

前記4の(5)に準じて対応する。

6 変更命令又は遵守命令に従わない場合

(1) 変更命令

変更命令に従わないで伐採を行ったときは、法第10条の9第2項の規定に基づき届出書の提出がなかったものとみなされることから、無届伐採となり法第207条第1号の罰則を適用するため、刑事訴訟法(昭和23年法律第131号)第239条第2項の規定に基づき検察官又は司法警察官に対して告発を行う。

(2) 遵守命令

遵守命令に従わないで伐採を行ったときは、法第207条第2号の罰則を適用するため、刑事訴訟法第239条第2項の規定に基づき検察官又は司法警察官に対して告発を行う。

7 無届伐採

無届けの伐採を発見したときは、状況に応じては法第207条第1号の罰則を適用するため、刑事訴訟法第239条第2項の規定に基づき検察官又は司法警察官に対して告発を行う。ただし、変更命令違反による無届伐採における告発までの過程とそごのないように、実情を十分に把握して慎重に対応するものとする。

8 緊急伐採

緊急の用に供する場合の伐採については、事前の届出は不要とし、伐採した日から30日以内に届け出るものとする。この場合、届出書には緊急伐採である旨を明記すること。

9 伐採及び伐採後の造林届出事務処理関係資料の交付申請

伐採届の事務処理には、特定個人情報が記載された森林調査簿等の保有が不可欠であることから、「森林計画関係個人情報記載資料の提供に係る取扱要領(平成11年3月24日付け森林第1889号森林計画課長通達)第2条の規定に基づき、交付申請を行うものとする。

10 伐採及び伐採後の造林届出の実績報告

平成11年3月24日付け森林第1889号で依頼された伐採及び伐採後の造林届出に係る実績報告を、次により行うものとする。

(1) 報告先 北海道網走西部森づくりセンター

(2) 報告内容及び方法

次により行う。

ア 伐採及び伐採後の造林届出の実績報告 年間分について、実績報告書に必要事項を記載する。

イ 緊急伐採の実績報告 年度分について、実績報告書に必要事項を記載する。

ウ 施業計画の実績報告 年度分について、実績報告書に必要事項を記載する。なお、実績報告書に代えて森林施業計画に係る伐採等の届出書を使用しても差し支えないものとする。

(3) 報告時期

ア 伐採届の実績報告については、1月15日までに送付する。

イ 緊急伐採及び施業計画に係る実績報告については、4月15日までに報告する。

11 伐採及び伐採後の造林届出制度の周知徹底

次の方法により周知徹底を図るものとする。

(1) 各種広報紙等に伐採及び伐採後の造林届出制度の趣旨を記載し、森林所有者等に周知する。

(2) 森林組合を通じて、組合員への周知徹底を依頼する。

(3) 担当職員は、森林所有者の集会へ出席するなど、あらゆる機会を利用して森林所有者への啓発を行う。

(4) 担当職員は、管内を巡回し、届出書の事前提出を指導する。

(5) 届出書の提出があったときは、森林所有者に対し、接触を図るほか、現地に出向いて適切な指導を行い、届出の効果が発揮できるよう努める。

(6) 届出書を林業関係機関及び関係団体等に備え付け、森林所有者の提出に対して利便を図る。

12 伐採跡地の造林促進指導

伐採跡地の造林促進については、伐採計画以外の森林整備計画に係る指導事項ではあるが、森林整備における重要事項であることから、次の事項について森林所有者等に周知及び指導を行うものとする。

なお、勧告は、「伐採後、森林整備計画で定められた更新期間を経過した後、なお、伐採跡地の更新が行われない場合で、人工造林を行わせる必要があるとき又は未立木地等で雪崩、寒害、風水害等を防止するために人工造林をする必要がある場合に行う。」こととされている。

(1) 森林整備計画の計画樹立時における伐採跡地

(2) 計画期間中に伐採された箇所

13 その他

この要領に定めるもののほか、この要領の実施に関し、必要な事項は、町長が定める。

この告示は、平成17年10月1日から施行する。

(平成19年6月1日告示第44号)

この告示は、平成19年6月1日から施行する。

(平成19年9月28日告示第56号)

この告示は、平成19年10月1日から施行する。

(平成20年9月26日告示第66号)

この告示は、平成20年10月1日から施行する。

(平成28年3月31日告示第10号)

この告示は、平成28年4月1日から施行する。

(令和5年3月31日告示第13号)

この告示は、令和5年4月1日から施行する。

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遠軽町伐採及び伐採後の造林の届出制度に係る要領

平成17年10月1日 告示第33号

(令和5年4月1日施行)

体系情報
第8編 業/第2章 林/第4節
沿革情報
平成17年10月1日 告示第33号
平成19年6月1日 告示第44号
平成19年9月28日 告示第56号
平成20年9月26日 告示第66号
平成28年3月31日 告示第10号
令和5年3月31日 告示第13号