○遠軽町老人福祉施設入所等措置事務取扱要領
平成17年10月1日
告示第18号
第1 措置の実施者
老人福祉法(昭和38年法律第133号。以下「法」という。)第11条第1項に規定する措置の実施者は、老人の居住地又は現在地(法第11条第1項第1号若しくは第2号又は生活保護法(昭和25年法律第144号)第30条第1項ただし書の規定により入所している者については、その者の入所前の居住地又は現在地)によって定まるものであること。
この場合における居住地とは、老人の居住事実がある場所をいうものであるが、現にその場所に生活していなくても、現在地に生活していることが一時的な便宜のためであり、一定期限の到来とともにその場所に復帰して起居を継続していくことが期待される場合は、その場所を居住地として認定するものであること。
なお、居住地がないか、又は明らかでない者に対する措置の実施者は、次に掲げるとおりであること。
1 その措置を要する老人(以下「要措置者」という。)が被措置者であるときは、当該保護の実施機関が認定した現在地を管轄する市町村
2 要措置者が被保護者でない者であって、生活保護法第38条に規定する救護施設、更生施設及び宿泊提供施設、法第15条に規定する養護老人ホーム、特別養護老人ホーム及び軽費老人ホーム並びに児童福祉法(昭和22年法律第164号)第38条に規定する母子生活支援施設以外の社会福祉施設並びに病院等に入所(院)しているものであるときは、当該施設等の所在地を管轄する福祉事務所を設置する都道府県又は市町村
3 要措置者が被保護者でない者であって、浮浪者等であるときは、その措置する時点において、その者の現在地を管轄する福祉事務所を設置する都道府県又は市町村
第2 要措置者の発見及び調査
1 措置の実施者である町長は、常に、要措置者の発見に努めるとともに、住民及び関係行政機関から要措置者の発見に協力が得られるよう、制度について周知徹底を図っておくこと。
2 町長は、老人、その家族又は民生委員からの申出、通告等により、又は自らの調査により、措置の対象と見られる老人を発見したときは、措置の要否を判定するため、本人又はその扶養義務者に係る養護の状況、心身の状況、生計の状況その他必要な事項につき調査を行い、又は必要に応じ、民生委員、税務署等に調査を依頼すること。
第3 指導の措置
指導については、おおむね次のようなものに重点をおいて行うこと。
1 老人とその家族との関係が緊張し、調和を欠く家庭について、そのような関係が改善されるよう指導すること。
2 養護老人ホーム又は特別養護老人ホーム(以下「老人ホーム」という。)に入所し、偏見等によりこれらの措置を受けないでいる老人に対して、それらの措置を受けるよう助言及び指導すること。
第4 措置の手続
1 措置決定の手続
老人ホーム等への入所措置については、次によること。
(1) 町長は、老人ホームへの入所措置の要否を検討するため、入所判定会議(以下「会議」という。)を設置するものとする。会議の構成は、医師、老人福祉施設の長及び町老人福祉担当者とする。
なお、特別養護老人ホームに係る入所判定は、要介護認定の結果を基本とするものとし、会議は開催しないこととする。
(2) 措置の要否の検討に当たり、第5の入所措置の基準等に基づき、健康状態、日常生活動作の状況、精神の状況、家族、住居の状況等について、老人ホーム入所判定審査票(別紙1)により総合的検討を行うこと。また、その際、在宅福祉サービスの利用状況も勘案すること。
(3) その検討結果を町長に報告すること。
なお、入所措置の判定が困難なケースについては、参考資料を添付して北海道保健福祉部長に協議することができる。
2 措置変更の手続
入所中の者に係る措置の継続の要否判定については、次によること。
(1) 町長は、入所者全員の措置後の日常生活動作等の状態について、施設長から生活記録等の提出を求め、年度当初に入所の継続の要否を第5の老人ホームの入所措置の基準等により総合的に見直すこと。
(2) 町長は、上記により見直した結果、入所要件に適合しないと思われる者について、上記1の(2)により検討すること。
(3) その検討結果を町長に報告すること。
なお、入所の継続の要否の判定が困難なケースについて、参考資料を添付して、北海道保健福祉部長に協議することができる。
(4) 町長は、入所の継続が認められないと判定された者については、措置の廃止又は変更等を行い、要措置変更者台帳(別紙2)を整理すること。
3 老人ホームへの入所措置の事前説明等
(1) 入所希望者及びその家族等に対して、老人ホームへの入所決定に当たり、措置制度の仕組みや老人福祉施設の種類とそれぞれの機能について事前に十分説明し、理解を求めておくこと。
(2) 老人ホームへの要措置者と決定した後、入所するまでに長期間を要する場合は、実際に入所する時点で必要に応じ再度判定を行うこと。
4 措置変更等を行う際の留意点
(1) 措置変更等に際しては、入所者及びその家族の意思を十分聴取するとともに、その趣旨について十分説明し、理解と合意を得たうえで行うこと。
(2) 家庭復帰が可能な者については、在宅における各種保健福祉施策の説明を行い、その家族と十分話し合い、指導及び助言を行うこと。
(3) 入所者の自助努力やリハビリテーションにより、身体状況等が軽快に向かう効果がみられることなどから、老人ホームへの訪問及び連絡を密にして、入所者及びその家族の状況の把握に努めること。
第5 老人ホームの入所措置の基準
1 養護老人ホーム
法第11条第1項第1号の規定により、老人を養護老人ホームに入所させ、又は入所を委託する措置は、当該老人が次の(1)及び(2)のいずれにも該当する場合に行うものとすること。
(1) 身体上、精神上又は環境上の事情については、次のアに該当し、かつ、イからオまでのいずれかの事項に該当すること。
事項 | 基準 |
1 健康状態 | 入院加療を要する状態でないこと。 感染性疾患を有し、他の被措置者に感染させるおそれがないこと。 |
2 日常生活動作の状況 | 入所判定審査票による日常生活動作事項のうち、一部介助が1項目以上あり、かつ、その老人の世話を行う養護者等がないか、又はあっても適切に行うことができないと認められること。 |
3 精神の状況 | 入所判定審査票による認知症等精神障害の問題行動が軽度であって日常生活に支障があり、かつ、その老人の世話を行う養護者等がないか、又はあっても適切に行うことができないと認められること。 |
4 家族の状況 | 家族又は家族以外の同居者との同居の継続が老人の心身を著しく害すると認められること。 |
5 住居の状況 | 住居がないか、又は住居があってもそれが狭あいである等環境が劣悪な状態にあるため、老人の心身を著しく害すると認められること。 |
(2) 経済的事情については、老人福祉法施行令(昭和38年政令第247号)第2条に規定する事項に該当すること。
2 特別養護老人ホーム
法第11条第1項第2号の規定により、老人を特別養護老人ホームに入所させ、又は入所を委託する措置は、当該老人が要介護認定において要介護状態に該当し、かつ、健康状態が次の規準を満たす場合に行うものとする。
事項 | 基準 |
1 健康状態 | 入院加療を要する状態でないこと。 感染性疾患を有し、他の被措置者に感染させるおそれがないこと。 |
2 日常生活動作の状況 | 入所判定審査票による日常生活動作事項のうち全介助が1項目以上及び一部介助2項目以上あり、かつ、その状態が継続すると認められること。 |
3 精神の状況 | 入所判定審査票による認知症等精神障害の問題行動が重度又は中度に該当し、かつ、その状態が継続すると認められること。 |
ただし、著しい精神障害及び問題行動のため医療処遇が適当な者を除く。 |
第6 養護受託者への委託の措置
1 養護受託者の決定
(1) 法第11条第1項第3号に規定する養護受託者の決定は、少なくとも次の基準のすべてに適合する者について行うこと。
ア 本人及びその家族が老人の養護受託について理解と熱意を有する者であること。
イ 本人及びその家族が身体的及び精神的に健康な状態にある者であること。
ウ 当該世帯の経済的状況が、委託する老人の生活を圧迫するおそれがないものであること。
エ その住居の規模、構造及び環境が老人の健康な生活に適すること。
オ 受託の動機が老人の労働の強制又は委託費の不正利得のおそれがないものであること。
カ 本人及びその家族の性格、信仰等が老人の心身に悪影響を及ぼすおそれがないこと。
(2) 養護受託者として決定しようとする者に対しては、事前に一般的な委託の条件を十分に了知させておくこと。
2 養護委託の手続
(1) 委託の措置を決定するに当たっては、あらかじめ次の措置をとること。
ア 養護受託者に対し、委託しようとする老人の健康状態、経歴、性格、信仰等について了知させること。
イ 養護受託者と委託しようとする老人を面接させること。
ウ 養護受託者と委託しようとする老人が委託の措置について合意に達していることを確認すること。
(2) 委託の措置を決定したときは、養護受託者に対し、委託の条件として、少なくとも次に掲げる事項を文書をもって通知すること。
ア 処遇の範囲及び経理の方法
イ 委託費の額及び経理の方法
ウ 養護受託者と委託された老人相互の関係において損害を被った場合、町長がこれを賠償する責任を負わないこと。
エ 町長が養護受託者について老人の養護に関して必要な指導をしたときは、これに従わなければならないこと。
3 養護委託の措置の基準
次の各号のいずれかに該当するときは、委託の措置は行わないものとすること。
(1) 当該老人の身体又は精神の状況、性格、信仰等が養護受託者の生活を乱すおそれがある場合
(2) 養護受託者が老人の扶養義務者である場合
(3) 同一の養護受託者が2人以上の老人(それらが夫婦等特別の関係にある場合を除く。)を養護する場合
第7 措置の開始、変更及び廃止
1 措置の開始
老人ホームへの入所又は養護委託の措置の基準に適合する老人については、措置を開始するものとすること。
なお、措置を開始した後、随時、当該老人及びその出身世帯を訪問し、必要な調査及び指導を行うものとすること。
2 措置の変更
老人ホームへの入所及び養護受託者への委託の措置のうち、いずれかの措置をとられている老人が他の措置をとることが適当であると認められるに至った場合は、その時点において、措置を変更するものとすること。
3 措置の廃止
老人ホームへの入所又は養護受託者への委託の措置は、当該措置を受けている老人が次のいずれかに該当する場合、その時点において、措置を廃止するものとすること。
(1) 措置の基準に適合しなくなった場合
(2) 入院その他の理由により、老人ホーム又は養護受託者の家庭以外の場所で生活する期間が、3か月以上にわたることが明らかに予想される場合又はおおむね3か月を超えるに至った場合
(3) 養護老人ホームへの入所の措置を受けている老人が、介護保険法(平成9年法律第123号)に基づく施設サービスの利用が可能になった場合
(4) 特別養護老人ホームへの入所の措置を受けている老人が、やむを得ない理由の解消により、介護保険法に基づく施設サービスの利用が可能になった場合
4 措置後の入所継続の要否
老人ホーム入所者については、年1回入所継続の要否について見直すこととすること。
第8 65歳未満の者に対する措置
1 法第11条第1項に規定する措置
法第11条第1項に規定する措置において、65歳未満の者であって特に必要があると認められるものは、法第11条第1項第1号又は第3号のいずれかの措置の基準に適合する者であって、60歳以上の者について行うことができること。
ただし、60歳未満の者であっても次のいずれかに該当するときに限り、老人ホームへの入所措置を行うことができること。
(1) 老衰が著しく、かつ、生活保護法に定める救護施設への入所要件を満たしているが、救護施設に余力がないため、これに入所することができないとき。
(2) 初老期認知症に該当するとき。
(3) その配偶者(60歳以上の者に限る。)が老人ホームの入所の措置を受ける場合であって、かつ、その者自身が老人ホームへの入所基準に適合するとき。
2 法第11条第1項第2号に規定する措置
法第11条第1項第2項に規定する措置において、65歳未満の者であって特に必要があると認められるものは、法第11条第1項第2号の措置の基準に適合する者であって、介護保険法第7条第3項第2号に該当するものについて行うこと。
第9 居宅における介護等に係る措置
法第10条の4第1項各号の規定による措置については、特別養護老人ホームへの入所措置と同様、65歳以上の者であって、身体上又は精神上の障害があるために日常生活を営むのに支障があるもの等が、やむを得ない理由により介護保険法に規定する訪問介護、通所介護、短期入所生活介護又は認知症対応型共同生活介護(以下「訪問介護等」という。)を利用することが著しく困難と認めるときに、必要に応じて市町村が措置を採ることができることとされているものであり、やむを得ない理由の解消により、介護保険法に基づく訪問介護等の利用が可能になった場合には措置は廃止すること。
なお、「やむを得ない理由」としては、
(1) 本人が家族等の虐待又は無視を受けている場合
(2) 認知症その他の理由により意思能力が乏しく、かつ、本人を代理する家族等がいない場合
等が想定される。
第10 移送
町長は、老人が老人ホームへ入所する場合若しくは老人ホームから退所する場合又は老人が養護受託者の家庭に入る場合若しくは養護受託者の家庭から出る場合においては、必要に応じて移送を行うこと。
第11 葬祭の措置
(1) 法第11条第2項に規定する葬祭の措置は、老人ホームに入所した者及び養護受託者にその養護を委託した者が死亡した場合において、速やかに、葬祭を行う者の有無を調査し、葬祭を行う者がないことを確認したうえで行うこと。
(2) 葬祭の措置は、死亡の診断又は死体の検案、死体の運搬、火葬又は埋葬、納骨等適当と認められる範囲内で行うこと。
第12 遺留金品の取扱い
法第27条に規定する遺留金品の取扱いは、生活保護法第76条の規定に基づく遺留金品の処分の例により取り扱うこと。
附則
(施行期日)
1 この告示は、平成17年10月1日から施行する。