○遠軽町文化財保護条例

平成17年10月1日

条例第206号

(目的)

第1条 この条例は、文化財保護法(昭和25年法律第214号。以下「法」という。)第98条第2項の規定に基づき、法及び北海道文化財保護条例(昭和30年北海道条例第83号。以下「道条例」という。)の規定による指定を受けた文化財以外の文化財で、遠軽町(以下「町」という。)の区域内に存するもののうち町にとって重要なものについて、その保存及び活用のため必要な措置を講じ、もって町民の文化的向上に資するとともに、我が国文化の進歩に貢献することを目的とする。

(定義)

第2条 この条例で「文化財」とは、法第2条第1項第1号から第4号までに掲げる有形文化財、無形文化財、民俗文化財及び記念物(記念物のうち史跡、名勝又は天然記念物は、以下「史跡名勝天然記念物」という。)をいう。

(財産権等の尊重及び他の公益との調整)

第3条 遠軽町教育委員会(以下「教育委員会」という。)は、この条例の執行に当たっては、関係者の所有権その他の財産権を尊重するとともに、文化財の保護と他の公益との調整に留意しなければならない。

(文化財の指定等)

第4条 教育委員会は、町の区域内に存する文化財(法及び道条例の規定により指定されたものを除く。以下同じ。)のうち町にとって重要なものを、遠軽町指定文化財(以下「町指定文化財」という。)に指定することができる。

2 前項の規定による指定をするには、教育委員会は、指定しようとする文化財の所有者及び権原に基づく占有者又は保持者若しくは保持団体(無形文化財を保持する者が主たる構成員となっている団体で代表者の定めのあるものをいう。以下同じ。)の申請によるもののほかは、あらかじめ当該文化財の所有者及び権原に基づく占有者又は保持者若しくは保持団体の同意を得なければならない。ただし、所有者又は権原に基づく占有者が判明しない場合は、この限りでない。

3 無形文化財を町指定文化財として指定するに当たっては、当該町指定無形文化財の保持者又は保持団体を認定しなければならない。

4 第1項の規定による指定又は前項の規定による認定をするには、教育委員会は、あらかじめ遠軽町文化財保護審議会に諮問しなければならない。

5 第1項の規定による指定及び第3項の規定による認定をしたときは、その旨を告示するとともに、当該町指定文化財の所有者、権原に基づく占有者及び認定しようとする保持者又は保持団体の代表者に通知しなければならない。

6 第1項の規定による指定及び第3項の規定による認定は、前項の規定による告示があった日からその効力を生ずる。

7 第1項の規定による指定及び第3項の規定による認定をしたときは、教育委員会は、当該町指定文化財の所有者(以下「所有者」という。)に指定書を、保持者又は保持団体の代表者に認定書を交付しなければならない。

8 教育委員会は、第3項の規定による認定をした後においても、当該町指定無形文化財の保持者又は保持団体として認定するに足りるものがあると認めるときは、そのものを保持者又は保持団体として追加認定することができる。

9 前項の規定による追加認定には、第4項から第7項までの規定を準用する。

(文化財の指定の解除等)

第5条 町指定文化財が、町指定文化財としての価値を失った場合その他特殊の理由があるときは、教育委員会は、その指定を解除することができる。

2 町指定無形文化財の保持者が心身の故障のため保持者として適当でなくなったと認められる場合、保持団体がその構成員の異動のため保持団体として適当でなくなったと認められる場合その他特殊の理由があるときは、教育委員会は、その認定を解除することができる。

3 町指定文化財について法及び道条例の規定による文化財としての指定があったときは、当該町指定文化財の指定は、解除されたものとする。

4 町指定無形文化財の保持者が死亡したとき又は保持団体が解散したとき(消滅したときを含む。以下同じ。)は、当該保持者又は保持団体の認定は解除されたものとし、保持者のすべてが死亡したとき又は保持団体のすべてが解散したときは、当該町指定無形文化財の指定は解除されたものとする。この場合において、教育委員会は、その旨を告示しなければならない。

5 第1項の規定による指定の解除及び第2項の規定による認定の解除には前条第4項から第6項までの規定を、第3項の規定による解除には前条第5項の規定を準用する。

6 前項の規定で準用する前条第5項の規定による通知を受けたときは、町指定文化財の所有者又は保持者若しくは保持団体の代表者は、速やかに当該町指定文化財の指定書又は認定書を教育委員会に返還しなければならない。

(所有者の管理義務及び管理責任者)

第6条 所有者は、この条例並びにこれに基づく規則及び教育委員会の指示に従い、町指定文化財を管理しなければならない。

2 所有者は、特別の理由があるときは、専ら自己に代わり町指定文化財の管理の責に任ずべき者(以下「管理責任者」という。)を選任することができる。

3 前項の規定により管理責任者を選任したときは、所有者は、速やかにその旨を教育委員会に届け出なければならない。管理責任者を解任したとき又は変更したときも、同様とする。

4 管理責任者には、第1項の規定を準用する。

(所有者の変更等)

第7条 所有者が変更したときは、新所有者は、速やかにその旨を教育委員会に届け出なければならない。

2 所有者又は管理責任者は、その氏名若しくは名称又は住所を変更したときは、速やかにその旨を教育委員会に届け出なければならない。

3 町指定無形文化財の保持者が氏名若しくは住所を変更し、又は死亡したときは、保持者又はその相続人は、速やかにその旨を教育委員会に届け出なければならない。保持団体が名称、事務所の所在地若しくは代表者を変更し、構成員に異動を生じ、又は解散したときも、代表者(保持団体が解散した場合にあっては、代表者であった者)について、同様とする。

(所在の変更)

第8条 町指定文化財の所在の場所を変更しようとするときは、所有者(管理責任者がある場合は、その者。次条第10条及び第18条において同じ。)は、あらかじめその旨を教育委員会に届け出なければならない。ただし、教育委員会の規則の定める場合には、届出を要せず、又は所在の場所を変更した後届け出ることをもって足りる。

(土地の所在等の異動の届出)

第9条 町指定文化財の指定地域内の土地について、その土地の所在、地番、地目又は地積に異動があったときは、所有者は、速やかにその旨を教育委員会に届け出なければならない。

(滅失、き損等)

第10条 町指定文化財の全部又は一部が滅失し、若しくはき損し、又はこれを亡失し、若しくは盗み取られたときは、所有者は、速やかにその旨を教育委員会に届け出なければならない。

(現状変更等の制限)

第11条 町指定文化財に関しその現状を変更し、又はその保存に影響を及ぼす行為をしようとするときは、教育委員会の許可を受けなければならない。ただし、現状の変更については維持の措置又は非常災害のために必要な応急措置を執る場合、保存に影響を及ぼす行為については影響の軽微である場合は、この限りでない。

2 前項ただし書に規定する維持の措置の範囲は、教育委員会が規則で定める。

3 教育委員会は、第1項の規定により許可を与える場合において、その許可の条件として同項の現状の変更又は保存に影響を及ぼす行為に関し、必要な指示をすることができる。

4 第1項の規定により許可を受けたものが前項に規定する許可の条件に従わなかったときは、教育委員会は、許可に係る現状の変更若しくは保存に影響を及ぼす行為の停止を命じ、又は許可を取り消すことができる。

5 第1項に規定する許可を受けることができなかったことにより、又は第3項に規定する許可の条件を付せられたことによって損失を受けたものに対しては、町は、その通常生ずべき損失を補償する。

(補助金の交付等)

第12条 町指定文化財の保存、管理又は修理につき特に必要と認める場合には、町は、その経費の一部に充てさせるため、予算の範囲内で所有者若しくは管理責任者又は保持者、保持団体その他その保存に当たることを適当と認めるものに対して補助金を交付することができる。

2 前項の補助金を交付する場合には、教育委員会は、その補助の条件として保存、管理又は修理に関し必要な事項を指示するとともに、必要があると認めるときは、当該保存、管理又は修理について指揮監督することができる。

3 第1項の規定による補助金の交付を受けるものが次の各号のいずれかに該当したときは、町は当該補助金の全部若しくは一部を交付せず、又は当該補助金の交付を受けたものに対し既に交付された補助金の全部若しくは一部の返還を命ずることができる。

(1) 保存、管理又は修理に関し、この条例又はこの条例に基づく規則に違反したとき。

(2) 補助金の交付を受けた目的以外の目的に使用したとき。

(3) 前項の補助の条件に従わなかったとき。

(保存、管理又は修理に関する助言又は勧告)

第13条 教育委員会は、所有者若しくは管理責任者又は保持者、保持団体その他その保存に当たることを適当と認めるものに対し、その保存、管理又は修理に関し、必要な助言又は勧告をすることができる。

(修理の届出等)

第14条 町指定文化財を修理しようとするときは、所有者は、あらかじめその旨を教育委員会に届け出なければならない。ただし、第11条第1項の規定による許可、第12条第1項の規定による補助金の交付又は前条の規定による勧告を受けて修理を行う場合は、この限りでない。

2 町指定文化財の保護上必要があると認めるときは、教育委員会は、前項の届出に係る修理に関し、技術的な指導と助言をすることができる。

(公開)

第15条 教育委員会は、所有者に対し、1か月以内の期間を限って、教育委員会の行う公開の用に供するため、当該町指定文化財の出品を勧告することができる。

2 教育委員会は、前項の規定により町指定文化財が出品されたときは、その職員のうちから当該町指定文化財の管理の責に任ずべき者を定めなければならない。

3 教育委員会は、所有者又は保持者若しくは保持団体に対し、町指定文化財の公開を、記録の所有者に対し、その記録の公開を勧告することができる。

4 第1項又は前項の規定により出品し、又は公開したことに起因して、当該町指定文化財が滅失し、又はき損したときは、町は、所有者に対し、その通常生ずべき損失を補償する。ただし、所有者の責めに帰すべき理由によって滅失し、又はき損した場合は、この限りでない。

(所有者変更に伴う権利義務の承継)

第16条 所有者が変更したときは、新所有者は、当該町指定文化財に関しこの条例に基づいて行う教育委員会の勧告、指示その他の処分による旧所有者の権利義務を承継する。

2 前項の場合には、旧所有者は、当該町指定文化財の引渡しと同時にその指定書を新所有者に引き渡さなければならない。

(標識等の設置)

第17条 所有者は、教育委員会の規則の定める基準により町指定文化財の管理に必要な標識、説明板、境界標、囲さくその他の施設を設置するものとする。

(調査)

第18条 教育委員会は、必要と認められるときは、所有者に対し、町指定文化財の現状又は管理若しくは修理の状況につき報告を求めることができる。

(文化財保護審議会)

第19条 教育委員会に、遠軽町文化財保護審議会(以下「審議会」という。)を置く。

2 審議会は、教育委員会の諮問に応じて、文化財の保存及び活用に関する重要事項について調査審議し、及びこれらの事項に関して教育委員会に建議する。

(定数)

第20条 審議会の委員の定数は、10人以内とする。

(委嘱)

第21条 委員は、文化財に関し豊かな識見を有する者のうちから、教育委員会が委嘱する。

(任期)

第22条 委員の任期は、2年とする。ただし、欠員が生じた場合の補欠の委員の任期は、前任者の残任期間とする。

2 教育委員会は、前項の規定にかかわらず、特別の理由があるときは、任期中においても委員の職を解くことができる。

(遠軽町行政手続条例の適用除外)

第23条 補助金の交付に関する町長の処分については、遠軽町行政手続条例(平成17年遠軽町条例第12号)第2章及び第3章の規定は、適用しない。

(委任)

第24条 この条例に定めるもののほか、この条例の施行に関し必要な事項は、教育委員会が規則で定める。

(罰則)

第25条 町指定文化財のうち有形文化財(以下「町指定有形文化財」という。)を損壊し、き棄し、又は隠匿した者は、2万円以下の罰金又は科料に処する。

2 町指定文化財のうち史跡名勝天然記念物(以下「町指定史跡名勝天然記念物」という。)の現状を変更し、又はその保存に影響を及ぼす行為をして、これを滅失し、き損し、又は衰亡するに至らしめた者は、2万円以下の罰金又は科料に処する。

3 第11条の規定に違反して、許可を受けず、若しくはその許可の条件に従わないで、町指定有形文化財若しくは町指定史跡名勝天然記念物の現状を変更し、若しくはその保存に影響を及ぼす行為をし、又は現状の変更若しくは保存に影響を及ぼす行為の停止の命令に従わなかった者は、2万円以下の罰金又は科料に処する。

4 法人の代表者又は法人若しくは人の代理人、使用人その他の従業者がその法人又は人の業務又は財産の管理に関して、前3項の違反行為をしたときは、その行為者を罰するほか、その法人又は人に対し、各本項の罰金刑を科する。

(施行期日)

1 この条例は、公布の日から施行する。

(経過措置)

2 この条例の施行の日の前日までに、合併前の遠軽町文化財保護条例(昭和49年遠軽町条例第7号)又は白滝村文化財保護条例(昭和50年白滝村条例第14号)(以下これらを「合併前の条例」という。)の規定により指定された文化財は、それぞれこの条例の規定により指定されたものとみなす。

3 合併前の条例の規定によりなされた処分、手続その他の行為(前項の規定に該当するものを除く。)は、それぞれこの条例の規定によりなされたものとみなす。

4 この条例の施行の日の前日までになされた合併前の遠軽町文化財保護条例に違反する行為に対する罰則の適用については、なお従前の例による。

遠軽町文化財保護条例

平成17年10月1日 条例第206号

(平成17年10月1日施行)

体系情報
第11編 育/第6章
沿革情報
平成17年10月1日 条例第206号