北海道のカブトムシの実態(調査中)

北海道のカブトムシは、少なくとも30年以上前にはごく数例の記録が見られただけですが、現在はほぼ全道といっていいほど分布が広まっており、本州などからの国内外来種 (移入種)だと考えられています。

しかし、いつどうやって持ち込まれたかについては、デパートで買ったペットが逃げた、夜店の売れ残りを山に捨てた、本州からの資材に紛れ込んでいた、養殖場から逃げたなど諸説入り乱れていました。

そこで、道内の多くの方々に協力を願い、情報を集めています。

現在までの情報(PDF, 17.4kb)

*PDFファイルですので、Adobe Acrobat ReaderまたはAdobe Readerが必要です。

当館トップページからもダウンロードサイトにリンクしていますので、ご用意ください。

このほかに情報をお持ちの方がいらっしゃいましたら、ぜひお教えください。

Tel. 0158-47-3927

丸瀬布昆虫生態館 学芸員:喜田

e-mail: y.kida@engaru.jp

これまでの情報から、昭和43年から47年ごろに養殖場を作った(後に網を破られて閉鎖した)という記述が最も古いこと、その近辺での大発生が数年後に起き、おびただしい量のカブトムシにより農業被害が起きていることなどがわかってきました。一方、大部分の養殖場は、すでに周辺で発生しているのを確認してから、それなら・・・とはじめた場合が多く、養殖が必ずしも分布拡大の源といえない場合も多いようです。また、樹木の根回しへの混入や、夜店での売れ残り(弱った個体や死体)の廃棄を見たという聞き取りもあり、複数の侵入経路があることもわかってきました。

被害については、大発生時にウリ科作物を加害したという農業被害の例がある他は、はっきりとした報告はありません。農家でも堆肥でカブトムシが発生すると孫が喜ぶからと逆に歓迎している例が多いようです。幼虫の発生も主に堆肥やチップなど人工的な腐植質のある場所が多いです。ただ、自然状態で発生しているとしか思えない例や、開墾した際の廃根線(残った切り株などを土ごとブルで押してできた大きな「うね」)で発生している例は多いため、幼虫時代も自然状態で他の昆虫と競合が起きている可能性があります。

しかし、成虫に関しては、樹液というもともと資源量の少なく競争の激しいものをエサにするため、クワガタムシなど多くの昆虫との競争・排除が起きていることは想像に難くありません。詳しい調査が必要です。

 

当館でも、平成4年にクワガタムシ飼育場を作った際、カブトムシの方が多く発生しました。丸瀬布町やその周辺ではすでに昭和61年以前から大規模な発生が散発的に見られていたため、それらの子孫であると考えられます。それ以後、カブト・クワガタ飼育場として平成12年まで運営してきました。

しかし、上記の調査結果や、逃亡を防ぐ網の補修などの予算が捻出できなくなったこと、農家からの「害虫」への不信の声が上がっているなどの情報が丸瀬布町昆虫同好会などから持ち寄られました。そして協議の結果、平成13年春、養殖の中止と残った膨大な幼虫の回収を決定しました。

この幼虫の数は優に3000を超えており、回収には多大な労力を必要としました。そのため、丸瀬布町昆虫同好会主催の「わくわく自然体験教室」生徒や、移入種問題を理解してくださったお客様などに協力していただきました(皆さん重労働本当にご苦労様でした!)。また、「逃がさない」約束と「移入種であること」を伝えることを条件に、知人などへの譲渡も奨励しました。

 

追加情報!:現在養殖場の回収はすでに終わっており、地域の希少種のチョウの食草を増殖し、試験飼育で生態的知見が得られるような施設に改修が終わっています(平成23年完成)。

 

どんな問題がおきてるの?(1つもどる)

「みんなで守ろう!ペットのモラル」へ(最初へもどる)